【労働新聞 1月30日号 「人材ビジネス交差点」より】

記事紹介 - 労働新聞社 -

「高年齢者のウリは年齢でなく"機能"」

 統計上、満60歳の時点で、男性22年、女性27年の平均余命がある。団塊の世代の定年後についての調査が新聞等で紹介されている。この世代は定年を心待ちにしていて、定年後にお金をかけたいことでは、旅行、パソコン購入、外食・グルメ、芸術鑑賞など、本当にこんなに浮かれていていいのかと思う。一方、妻は一日中夫が家にいて憂鬱と考える人も多いようだ。夫にはいつまでも外で元気に働いていて欲しい、できれば収入も多く欲しいのが本音であろう。定年になれば現実を知って愕然とするだろうが、現時点では不安を先延ばしすることも可能だ。老後の生活資金からみると、深刻さは明確である。

 退職金は、民間企業では勤続35年で一般に2,400万円といわれている。夫が82歳まで生きるとすれば、夫婦で月9万円が取り崩し分である。これに、厚生年金保険から22万円程度の給付が見込まれる。先のことは誰にも分からないが、少子高齢化による経済停滞や消費税率アップによる物価上昇は近い将来確実に予想される事態である。旅行になど金を使っている余裕はない、定年後はのんびり暮らすことは出来ないのである。

 ではどうするか?どうしたら老後の経済的不安から逃れられるか、万人が考えることである。それには、誰の頼りにもならず、自立すること、すなわち「生涯現役」をモットーとして生涯働くことである。そうすれば、老後の不安から開放されるのである。こんな単純なことをどうして本音で語る人がいないのか、それは、高齢者(満60歳以上)の再就職がきわめて困難だからである。

 私は、満52歳から独立自営し、リストラで離職した人達の再就職を支援して10年の実績を有するが、売り方が下手ならば売れない、上手ならば売れる。高齢者も必ず再就職させてきた事実が証明している。3年前からキャリアアップ転職術を指南する「一億人の就職道場」も主宰し、盛業である。ここでは、高齢者に年齢をウリにするのではなく、長い職業人生において修得した機能をウリにさせることによって誰でも早期に再就職を成就させている。

 ただし、50歳代が遥かに売れ行きはいい。セカンドキャアの決断は早ければ早いほどよい。改正高齢者雇用安定法施行に頼るか、自立の道を歩むかが50歳代の者の課題である。機能とはすなわち職務遂行能力である。機能は加齢すればするほど高度化する。余人をもって代えがたい職務遂行能力を有する者こそ人材である。採用条件は、年齢でなく機能ということに気づけば自ずから戦略・戦術も変わってくる。超少子化社会に向かって高齢者の活用の途は大きく広がっている。しかし、売り方のノウハウを修得した者のみが勝ち残ることになろう。

【労働新聞 1月30日号 「人材ビジネス交差点」より】

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