コミュニケーションとは:コーチングを知る
コミュニケーシとは、双方向の交流により、自分と相手が「意思」「感情」「思考」を共有化することです。 自分と相手が、お互いにいい関係にあり、相互に理解できること、つまり Win−Winの関係になることです。
自分 | 相手 | 関係 |
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Win(勝ち) | Win(勝ち) | Win−Win の関係 |
Win(勝ち) | Lose(負け) | Win−Lose の関係 |
Lose(負け) | Win(勝ち) | Lose−Win の関係 |
Lose(負け) | Lose(負け) | Lose−Lose の関係 |
コミュニケーションの二つの機能
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- 1.ビジネスにおける機能:
- 情報・意思の伝達→情報を交換することにより、目的意識、問題意識が共有化されます。
- 2.人との係わり合いにおける機能:
- 感情の伝達→感情を伝達することにより相互理解が促進されます。
コミュニケーションの変化
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コミュニケーションの変化
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社会生活にとって、コミュニケーションは血液です。 |
人への対応:コーチングを知る
コミュニケーションにおける安心感
コミュニケーションの基本は、双方が信頼しているということです。コーチを信頼していないクライアントは、自分の真実の声、本音を語りません。 いくら聞いていても、聞いていないような態度では、話し手は話をすること自体が嫌になってしまいます。コーチとしてはクライアントがコーチのことを信頼して話しをするように、安心感を作らなければなりません。 |
ラポールの構築
クライアントに真実の声、本音を語ってもらわなければ、正しいコーチングはできません。クライアントがコーチのことを心から信頼することによってはじめて、コーチングが可能となるのです。クライアントがコーチのことを心から信頼し安心感をいだく関係が「ラポール」とよばれるものです。それゆえ「ラポール」とは「こころとこころの架け橋」と言われているのです。 |
ラポールの構築の方法
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- 1.コーチの態度
- 相手の話を100%聴いてあげるという態度が重要です。
- 2.クライアントにとって居心地のいい環境設定(座り方)をとります。
- 人と人の座り方としては、3通りの座り方があります。
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- ・対面法
- 正対して座る方法です。両者が緊張関係となります。上司が部下に指導・命令するような場合です。
お互いが見ているものが全く異なります。共通のものを見ていません。常に相手を見ていることになります。 - ・90度法
- 90度あるいは120度の角度にて座る方法です。両者がリラックスできます。
お互いが共通のものを見ることができます。必要によっては相手のことも見ることができます。
レストランの座り方などに用いられています。 - ・平衡法
- 隣に並んで座る方法です。両者が最も親しくなれます。恋人同士の座り方です。
お互いが共通の夢を見ることができます。しかし、共通の夢がないとき、それぞれの考えていることが違う
とき話しは平行線のままになってしまい、けっして交わりません。
クライアントにとって居心地のいい座り方は、90度法です。90度法にて相対することを心がけることが重要となります。
ただし、細長いベンチのような長いすの場合、90度に座るのは困難。そのときは正対しないように、斜めの位置に座ります。
また、イスしかない場合は、イスの向きを直して「ハの字」に座ります。
座る位置をどこに取ればいいかわからないときは、クライアントに先に座ってもらって、コーチはそのあとで、90度法に近い形で座る位置を決めます。また、イスしかない場合は、イスの向きを直して「ハの字」に座ります。
- 3.クライアントにとって心地よさを感じるコーチのしぐさ
- ボディ・ランゲージ(身体言語)
やや身を乗り出した姿勢でうなづくと、クライアントは自分の言うことを聞いてくれていると感じます。
腕組みをしたり、目を閉じたままでの傾聴では、クライアントの言葉が詰まってしまいます。 - 声の調子
クライアントに合わせて、声の高さ、速さを考えましょう。
方言を取り入れることによって、親近感を増すケースもあります。
小さな子と話しをしているときには、自然と幼児言葉になっているはずです。
→大人のしゃべり方をして、小さな子を怖がらさないように配慮しているのです。 - 視線の高さ
・コーチとクライアント同じ視線の高さにします。
・自分は座って、生徒を立たせて話しをしている職員室の先生×
・座っている子供の斜め後ろから、立って話しをしているお父さん×
・小さな子供に視線をあわせるために、しゃがんで話しをしているお母さん○ - コーチのしてはいけないこと
・腕組み→クライアントの考えや意見を受け入れない態度、拒絶の態度
・足組み→クライアントの人格を無視する態度
・ズボンのポケットに手を入れる→傲慢な態度
・タバコを吸う→クライアントが喫煙者の場合をのぞく
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コミュニケーションの仕組み:コーチングを知る
人間心理の三大渇望
人間には、年齢を問わず必ず誰もが持っている欲求が3つ(三大渇望)あると言われています。 人間は常に誰に対しても「自分を受け入れてもらいたい」と、他人からの受容を求め、またある人に対しては「自分の良さを理解し、認めてもらいたい」と、承認を欲しがり、「私を特別な存在と思って欲しい」と、重視されたいと願うものです。この3つがないと、人間は生きてゆけないとさえ言われているのです。
この欲求を満たし合うことが人間関係の基盤となっており、コミュニケーションの基本となります。人を動かすコミュニケーションスキル
- 1.話す技術
- 「相手に合わせた話し方」をしましょう。
- 相手の聴く準備が整っている時に話します。
- 相手の理解できる言葉で話します。
- 内容を細かく分けて話します。
- すべての情報を与えないようにします。
- 2.聴く技術
- 「人を動かす聴き方」をしましょう。
- 評価せずに聴きます。
- 話を具体化します。
- 理性的にとらえます。
- 話をさえぎらないようにします
コミュニケーションスキルの重要性:コーチングを知る
戦略の立案
どのような場合においても、目標を達成するには戦略が必要です。効果的なコミュニケーションにおいても戦略がなければ成果は期待できません。
- 1.目標設定と達成方法
- (1)人間関係の構築
相手に親しみを持ってもらい、心を開いて人間関係を作るという目的においてコミュニケーションは社交的な機能を果たします。この機能を表す具体的な行為が、「挨拶」や「会話」です。 - (2)情報の伝達
相手に正確にわかりやすく情報を提供するという目的で、コミュニケーションは伝達的機能を果たします。この機能を表す具体的な行割に、「指示」「報告」「説明」などがあります。 - (3)協力の獲得
相手をその気にさせ、こちらの意図に沿って自発的な行動を促すことを目的とする場合のコミュニケーションは、協力的機能を果たします。この機能を表す具体的な行為が、「説得」「助言」「忠告」などです。
- 2.自覚と行動基準
- 戦略を決定するには、「自覚」と「行動基準」という二つの要素が必要となります。人間は各々違っている為、たとえ目標が同じであっても、その人に合った戦略を持つことが効果的なコミュニケーションにつながるからです。
- (1)自覚
自己認識を行い、自分の強みや弱み、使う言葉の解釈、思考の特性を知っておくことが、コミュニケーションスキルの向上に役立ちます。 - (2)行動基準
コミュニケーション能力を発揮し成果を得るためには、話を始める前に自分の行動基準を決めておくことが必要となります。行動基準とは、次の2点です。
・話の目的を明確に伝えることを考えます。
・タイムリミットを決めます。
話し方の基本
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- 1.心構え
- 積極性:自分から相手に働きかける積極的な心をもって話をします。
- 共感性:聴き手の内面に配慮する共感的な心をもって話をします。
- 柔軟性:状況に合わせて対応する柔軟な心をもって話をします。
- 2.発声・発音・間の取り方
- 発声は、相手に届く声量であるかどうか、威嚇的に聞こえるほど大き過ぎないか、声質の高さや低さなどに注意します。
明瞭な発音は、顎の開き方で決まると言われています。特に「あ」を発音する時の発音の違いによって、声の明瞭性が決まるのです。
間を取ることは、話にメリハリをもたせ、相手との呼吸を合わせる効果があります。
- 3.アイコンタクトと観察力
- 目は口ほどにものを言う。なぜなら、人が相対する人に好意を持つ時は、その相手の表情占める割合が55%であると言われており、その表情の中でも最も印象に残るのは「目」なのです。
- 4.表現の原則
- (1)わかりやすく話します
わかりやすく話すには、5W3H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、どれぐらいの時間で、どれぐらいの費用で)で整理しておくことが必要となります。 - (2)簡潔に話す
簡潔な話とは、要点を絞り込んだ話のことです。必要な内容を、必要な時に、必要な人に、必要なだけ話すことを意識します。
話を簡潔にする為には、始めのうちは内容をある程度十分な量を考え、それから必要な部分だけに絞り込んでいく、というプロセスを取ります。
始めから絞り込もうとすると、重要なものまでが抜け落ちてしまうこともあるからです。 - (3)印象深く話す
話の内容が効果的だと相手に思わせるには、印象深さも重要な要素です。これには、内容にかかわるものと、話し方のスキルにかかわるものと、両方が関係してきます。
話にインパクトを与える表現技術で内容に関するものでは、相手の頭の中にイメージを描くことができるようにすることです。
相手にイメージを描かせるには、まず自分ならどうなのかを考え、次に相手のことを考えて接点を見つけることです。話し方のスキルにおいてインパクトの強い表現とは、次のように要約できます。
a.情熱を持って話します。
b.感情を込めて話します。
C.声の抑揚に気を配ります。
- 5.ボディーランゲージ
- 人間は、無意識に、また意識的に、ボディーランゲージによって様々な心の動きを相手に伝えようとしています。主なボディーランゲージには、次のようなものがあります。
- (1)身振り・手振り
・指で示す
・手や顔を横に振る(断る・ノーと言う)
・手を合わせる(お願いする・謝る・感謝する)
・形を示す(大きさや形状を表す) - (2)体に触れる
・手を握る(感謝・好意・親愛を示す) - (3)表情
・気持ちが顔に表れる(言葉よりも物語る) - (4)目の動き
・表情と共に気持ちを表す - (5)姿勢
・ふんぞりかえる(威張っている)
・うなだれる(失意・謝罪を表す)
・体をこわばらせる(緊張を表す) - (6)呼吸
・ため息をつく(情けない・やりきれない・手に余る)
・一息つく(気が楽になる)