リーダーシップとは何か:コーチングを知る
リーダーシップとは
-
- 1.リーダーシップのもつ意味:
- リーダーシップとは、個人または集団に対する「指導力」「統率力」「影響力」という意味に使われます。
共通の目標があり、その共通の目標を達成することを目的として、メンバーの力を最大限に結集し、効率よく使い、同時に、メンバーの働きがいをつくりだすためにとる行動であると言われています。
リーダーシップとは、ふたり以上の集団における集団現象であり、ふたり以上の集団が存在すれば(ビジネスの世界だけではなく、家庭でも、スポーツや趣味の同好会等の世界でも)必ずリーダーシップは生まれるのです。
- 2.広義、狭義のリーダーシップ:
- 広義のリーダーシップは、「人の人に対する影響力=対人影響力」のことであり、狭義のリーダーシップは、「集団の目標を達成するためにメンバーの力を結集する働きかけと動機づけ=指導・統率力」と定義づけられます。
- 3.リーダーシップを発揮しリーダーのなすべきこと:
- (1)目標の明確化
- (2)目標の明示
- (3)メンバーへの動機付け(指示する→傾聴する→承認する→質問する→意見を求める→決定させる→任せる)
- (4)リーダー自ら率先垂範
- (5)組織を運営
- (6)目標の達成
今求められるリーダーとは
-
- 1.これまでのやり方に固執せずに環境の変化に柔軟に対応します。
- 環境の変化に適応するためには柔軟な思考が必要です。リーダーは環境の変化に適応した注意力と観察力を持たなければなりません。
- 2.ナンバーワン、オンリーワンとなる「ウリ」「光るもの」を確認し、仕事力を磨きます。
- 自分は「何者なのか」「何ができるか」を常に考えて、自己のナンバーワン、オンリーワン「ウリ」「光るもの」になるものを見つけ、そのレベルアップする努力を続けます。
- 3.複眼思考(マクロの眼、ミクロの眼)にて、問題意識を持って環境の変化に対応します。
- リーダーは集団における舵取り役です。状況の変化に適切に対応することによって、目標の達成を図ります。
リーダーシップスタイル(類型)
組織目標を達成するリーダーシップスタイルとして、PM理論があります。
4つのタイプでも、それぞれに長所、短所があり、リーダー自身がどのタイプかを知り、集団の実態に合ったリーダーシップを発揮しなければ、目標を達成するために効果的に人を動かすことはできません。
|
リーダーシップを身につけたい方へ
<講座主宰者:白根陸夫より>・・![]() |
リーダーシップの2つの特性
-
- 1.ポジションパワー(Position Power)によるリーダーシップ:
- 組織における制度上の地位・肩書が持たせる力=権力がもたせるもの
- ・強制力、報酬力(権限、管理、支配、強制など)
- 2.パーソナルパワー(Personal Power)によるリーダーシップ
〔ヒューマンパワー(Human Power)ともいう〕: - 個人としての魅力が持たせる力=権威がもたせるもの
- ・専門力、人間力、情報力、関係力(勇敢、知性、誠実、温情、厳しさ、人間性など)
メンバーの反応 影響力の持続性 ポジションパワー
地位や肩書きが持つ力面従腹背
(立場上)一時的
(立場が変われば終了)パーソナルパワー
個人的な人間性が持つ力心服、尊敬
(心から)永続的
(生涯続く)集団を運営していくためにはこの2つのパワーをバランスよく行使しなければなりません。
コーチングに必要なリーダーシップ
コーチングとは、相手が望んでいる目標があり、その目標を自ら達成することができるように、相手の持っている個人的な特性と強みを活かして、相手がその能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、相手を自ら考えさせ行動を促すために、相手の取るべき手段を引き出すためのコミュニケーションサポート(支援)です。 そのため、コーチは「傾聴」「承認」「質問」のスキルを駆使してクライアントに働きかけるわけですが、クライアントとの間での信頼関係がなければコーチングは成功しません。クライアントが信頼するのは、コーチのポジションではなくコーチの人間性です。コーチングに必要なリーダーシップは、パーソナルパワーに裏づけされたリーダーシップであると言えます。 |
リーダーシップとコーチングの関係
-
- 1.リーダーシップとコーチングの関係についての考え方:
- ビジネスの場面においてコーチングは、一番情報を持っている最前線で仕事をしている部下の思いを引き出し、部下が自ら考え結論を出していき部下が成長していくことを上司として支援することであると考えられています。そのことは間違いではありません。問題なのはそのため上司が強いリーダーシップを発揮して部下を引っ張っていってはならないと考えてしまうことです。
つまり、コーチングとは上から指示命令するのではなく、下から情報を吸い上げていこうコミュニケーションのとり方であると思われてしまうのです。
しかし、それでは「上から情報を提供するという従来型の一方向からのコミュニケーション」が、「下から情報を提供するという従来型の一方向からのコミュニケーション」に変わっているだけとなります。
コーチングを学んだけれど実践では上手く機能しないという人は、この点での理解が誤っているのです。
リーダーシップをポジションパワーで行っている人が陥りやすい落とし穴です。リーダーシップをポジションパワーで行っている人はコーチングもポジションパワーを使って行おうとするのです。
- 2.パーソナルパワーによるリーダーシップとコーチング:
- 部下においては立場上「上司だから仕方なく話をする」、「上司のいうことに従う」というのではなく、上司の人間的魅力に触れ「この人なら自分の気持ちを話ししよう」、「この人なら言っていることにも一理あるのだろう」ということになって、はじめて上司と部下の間でお互いの気持ちの通じ合えた「双方向のコミュニケーション」が機能するのです。
そしてこの時上司が行うコーチングが、リーダーシップ・コーチングと呼ばれるものである。
このリーダーシップ・コーチングは、一つの組織があればその中で必ず行われるコーチングです。会社の上下関係だけでなく、実生活の場面においてもリーダーシップを発揮する際には、必ずこのリーダーシップ・コーチングが有効なものとなります。
リーダーシップ・コーチングとは何か
コーチングとは、ロジャースの、「人は誰でも自らの内部に、自己を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方に基づき、相手が望んでいる目標があり、その目標を自ら達成することができるように、相手の持っている個人的な特性と強みを活かして、相手がその能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、相手を自ら考えさせ行動を促すために、相手の取るべき手段を引き出すためのコミュニケーションサポート(支援)であると言われています。 この個人への支援の考え方を、集団のレベルに引き上げ、現在の状況下においてリーダーとして集団に対して何を行えばいいのかを考える過程で生まれた考え方です。リーダーシップ・コーチングとは、ロジャースの、「人は誰でも自らの内部に、自己を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方を発展させたものであり、「集団はどんな集団でも集団の内部に、集団を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方に基づき、集団が望んでいる目標があって、その目標を集団の構成員が自ら達成することができるように、集団及び集団の構成員の持っている特性と強みを活かして、集団及び集団の構成員がその能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、集団及び集団の構成員を自ら考えさせ行動を促すために、集団及び集団の構成員の取るべき手段を引き出すためのコミュニケーションサポート(支援)であると言えます。 答えは必ずその集団の中にあります、リーダーはそれを引き出すために、あらゆる手段を駆使してサポートするということです。 |
リーダーシップ・コーチングでリーダーの行うこと
-
- 1.リーダーシップ・コーチングにおけるリーダーの任務:
- (1)集団の目標の完遂
- (2)集団構成員の成長
- 2.リーダーシップ・コーチングにおけるリーダーの役割:
- 〔価値観の共有〕
- (1)目標の策定・説明(透明性・公平性)
・参画意識の醸成 - (2)現状分析、状況の説明(透明性・公平性)
・傾聴、承認、質問、議論 - (3)課題の発掘・提供(共有化、明確化)
・傾聴、承認、質問、議論 - (4)戦略の立案・説明・実行(共有化、明確化)
・傾聴、承認、質問、議論 - 〔集団構成員の成長〕
- (1)部下への信頼(透明性・公平性)
・権限委譲 - (2)リーダーが最終責任
・責任の明確化
リーダーシップ・コーチングを行うリーダーとしての心構え
-
- 1.自分自身の成長を図ります。
- 自分自身をコーチングする(セルフコーチング)
ロジャースの、「私は私の内部に、私を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方に基づき、私には私が望んでいる目標があり、その目標を自ら達成することができるように、私の持っている個人的な特性と強みを活かして、私がその能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、私を自ら考えさせ行動を促すために、私の取るべき手段を引き出すため、私が私自身をコーチングします。
「自分自身をセルフコーチングできないコーチが、クライアントをコーチできるのか」と言われています。メンバーはリーダーの一挙手一投足に注目しているのです。リーダーはメンバーの模範とならなければなりません。
- 2.自分として尊敬できるリーダー(偉大なリーダー)に学びましょう。
- 自分として尊敬できるリーダー(偉大なリーダー)の生き様を考え、いいところのマネをし(学ぶとはマネぶことである考えましょう)、アイデアを借りることです。
- 3.集団構成員の成長を図ります。
- リーダーとしての立場をわきまえ、安易に「コーチング」のみに走らないようにします。
物分りのいい上司になろうとしてはいけません。「やさしさ」と「強さ」を備えた魅力ある人物になることです。
→それで初めて、相互信頼がとれて、リーダーシップ・コーチングができるのです。
リーダーの条件
|
効果的なリーダーシップの発揮
リーダーは、時・場所・状況に応じて最も効果のあるリーダーシップを発揮しなければなりません。
|
|
リーダーシップ発揮のための能力条件
リーダーシップを発揮するためには、以下の能力を身につけて発揮する必要があります。
リーダーは、自分の長所、弱点をしっかりと認識し、長所を伸ばし、弱点を補強するなど、常々自己啓発に努めなければなりません。
Listen | 傾聴力 |
Explain | 表現力 |
Assist | 支援力 |
Discuss | 対話力 |
Evaluate | 客観力 |
Response | 応答力 |
Sincerity | 誠実力 |
Health | 健康力 |
Intelligence | 知力 |
Personality | 人間力 |
-
お問い合わせ
認定エグゼクティブ・コーチ養成講座の資料請求はこちらから

お電話受付時間9:00~17:00
【土・日・祝日を除く】